アニサキスの怪
アニサキスを食った気がする。
以前釣ったホッケちゃんを干物にし、
ついさっき七輪で炙って食べた。
脂がサンマばりに滴り非常に美味。
ただ塩水に漬けるのを忘れ素材の味しかしなかった。
すごい脂。
それはそれとしてこのホッケちゃん、
3日前に釣り上げ直後に捌いて干したものなのだが、
元気だった頃のホッケちゃん
ワタにびっしりアニサキスがついていた。
肝をメインに7〜10程度は目視できたため、
ワタを除いた後も二枚おろしにし、
表面にヤツがいないか入念にチェックした。
はずだった。
焼きあがったホッケちゃんをパク付いていると、皿の端になにやら動く奴がいる。
ヤツだ。
ヤツは普段魚の内臓に寄生しているらしい。
魚が死ぬと、内臓から筋肉へうにょりと移動し、次の宿主に食われるのを待つらしい。
だから、通説では、釣ってすぐに捌けばヤツが食卓に並ぶのを防ぐことができる。
今回は釣り上げて20分もせずに捌いたので、
ワタにびっしり居たとはいえ油断していた。
まさか身にはいないだろうと。
干物にしたこともそう。
ガッツリ干した干物の中で、まさか生きているとは。
このへんにいた。
ホッケちゃんがでかすぎて七輪からはみ出したまさにそのあたりにヤツがいた。
生焼けになっていたんだろう、
箸でヤツをつまんで炭火にかざすと、
10秒ほどで絶命した。
火を通せば大丈夫なのだ。
大丈夫だったのだ。
私がヤツを見つけたのはほぼ食べ終えた後だった。
だって美味しかったのだ。
ホッケちゃん美味しいのだ。
アニサキスは8〜10時間で発症すると言われているのだ。
部屋の隅でガタガタ震えて過ごすのだ。
へけっ!