原付カスタムの日記

幻の魚サクラマスを追う

9/6 長編 利尻島④ 鮭と温泉と優しさと

利尻島三日目です。今日も今日で長くなると思います。

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目覚めたのは島の南端、沼浦キャンプ場。早朝3時過ぎに胆振で大きな地震があり、札幌は停電だ液状化だとてんやわんやだったそうですが、もとより原始的な生活をしていたので普通に風の音で目覚めました。

 

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朝食の準備。ご飯を炊いて…

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たまごを焼くと見せかけて……食べるラー油投入!炊きたてご飯投入!
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手持ちの塩胡椒で味付けしフィニッシュ!!!

ふつうの味でした。ふつう。

 

 

キャンプ場から鬼脇漁港へは原付で5分かからない程度。もともと天気予報は昼過ぎまで雷雨でしたので、テントはそのままにわずかな晴れ間を狙って出撃。

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6時過ぎ。昨日とは打って変わって波すらない静かな水面です。釣り人も誰もいない。

 

どうせ釣れんやろなーと釣竿をセットアップしていると……

 

「バシャン!」

 

 

鮭の跳ねる音だ!

音を聞いただけで心臓がバクバク鳴り出します。

 

 

そしてポコン…ポコン…と前アタリがあり、息を止めて待っていると………

 

ヒュンッ

 

 

思いっきりフッキング!

めちゃくちゃにデカい、めちゃくちゃに走る!右に左に走り回り、竿が極限までしなり……

 

 

プツッ

 

 

 

 

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切られました。動揺しすぎて手ブレがひどい。

ドラグの調整が甘かったのか、一昨日釣りに釣ったガタがきていたのか……

 

 

もしかしたらこれでもう終わるかもしれないな…となかば諦めつつ、仕掛けを替え再投入。もうサケの跳ねやモジリは見られません。

 

 

ヒュンッ

 

嘘だろ!?再度フルパワーフッキング!!!

今度は慎重に慎重に、フリーにした左手でドラグ調整をしつつ、ジワジワと寄せて弱らせます。走ったら少し竿先を立ててやり、空気を吸わせて弱らせる。潜るなら少し左右に誘導してやる……

 

 

 

そして。
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67cmのメス!しかも銀毛です!!!

 

ここからフィーバータイムが始まります。

エサをつける手が震える。漁港には私の他に誰もいない。仕掛けを投げ入れる。いつのまにか波が出てきていて、ウキの揺れをアタリと見間違う。

ジワジワと日が照りはじめて、海面をキラキラと光らせる。ずっとウキを見つめていると、フッと視界からウキが消える、もちろん錯覚で、チラ、チラと視線をうつしながら、錯覚が起きないように、かつアタリを見逃さないように、ウキを観察する。

 

今思い出しても最高の時間です。

 

 

結局釣果は、たった1時間で銀毛のメス、しかも大型、を4尾!!!
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とんでもないことだ。

もうこれ以上釣ってもしかたがないので、余韻に浸りながら水面を眺めます。

 


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昨日も来ていた大きめの鳥が、隙あらばとサケに寄ってくる。完全に自分と目が合っているのに、それでもめげずにやってきます。

つつく直前に振り向いて「食べて良いの?」と言わんばかりの目を向けてきますが、負けじと変顔で追い返します。



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サケ袋で包んだところ。市場だとどれくらいの価値になるのでしょうか。イクラがたっぷり詰まった銀毛のメスです。
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カゴからはみ出す大きさ。
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サケはそれぞれ東京都台東区のTさんと札幌市北区のMさんに届ける約束をしていたので、急いで島の反対側にあるヤマト運輸へ。

 

 

 

ヤマト運輸、明朝の地震でクール便死んでました。。。

鮭を両手に持って受付で立ち尽くす私。

 

「お兄さんサケいりませんか?」

 

「いやいいです笑」

 

 

絶望です。

こんなに美味しそうなサケを無駄にするのか…?

閃きとともにバイクを走らせ、来た道を戻ります。

 

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旅館雪国。初日の宿のおっちゃんに事情を説明。サケ3尾贈呈。喜んでもらえました。今頃お客さんに振舞われているんだろうか。

 

 

一尾だけ残したサケをカゴに積んで、キャンプ場へと向かいます。

受付にお兄さんにイチから説明し、サケ捌く許可ゲット。

 

「ついでにコレ半身いりません?」

 

「いや〜、いいかな笑」

 

もらえよ!!

 


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流しに横たわるサケ。やっぱりめちゃくちゃデカイ。5キロはある。
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チラと見えるイクラがセクシー。
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とりあえず3枚におろし、
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半身をぶつ切りにして煮込む。
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持参した醤油で味付けし、サケ鍋の完成。

満腹で死ぬかと思うくらいサケを満喫しました。

 

続きましてイクラの下処理。

取り出した『腹子』を60度くらいのお湯にくぐらせ、膜からイクラをほぐします。
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だいぶほぐれてきたところ。

膜はすぐに千切れてしまうので、何度も水を取り替えては膜を取り、再度熱湯に晒して膜を熱で変質させて…まだ水に取り……

かなり大変な作業でした。イクラってこんなに手間がかかるんだ。

 

ちなみにアニサキスもいます。

何度も何度も手洗いをし、膜を取りつつひたすら目視。イクライクラの間にヤツは潜んでいます。


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そして水切り。

手洗いフェイズでは白く変色していたイクラですが、不思議なことに水を切ると鮮やかに色づきます。
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さらに塩を振ると……正真正銘イクラに変身!!!

 

このあたりで韓国のおばちゃん集団がキャンプ場にやってきたので、拙い英語でおすそ分け。

 

「サケ!!ア-…サーモン!!!」

「ファイア!!!マストファイア!!!OK?」

 

 

「OK.」

 

通じた!

 

 

このあたりで14時。3時間くらいサケと格闘していました。

 

もうサケを釣ってもしょうがないため、通常の観光スポットめぐり。

 

 

最初はペシ岬です。

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初日、旅館の窓からチラと見えていた岬の丘です。かなり小さく見えるので期待はしていなかったんですが………

 

 


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近づいてみるとめちゃくちゃ大きいんですよ。
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途中にある広場。なぜか会津藩士のお墓がある。
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広場から磯を望む。

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沓形方面。

 

そして、頂上へ。

頂上付近はかなりの急勾配で、しかも真後ろから台風のような暴風が吹きつけます。

「これが独立峰の風か…!」だのなんだの孤高の人ごっこを脳内で繰り広げながら、ほとんど這いつくばるようにして頂上を目指す。

 

9合目にさしかかると志なかばで力尽きたのであろう、ビビッドピンクのハードシェルをまとった白人男性が事切れていた。

彼は前のめりのジムと呼ばれている。4年前に斃れて以降、後続の登山家達の道しるべになっている。彼がここにいるということは、大丈夫、ルートは外れていない。黙祷でも捧げてやりたいが、突風に不意を突かれて俺も道しるべに、なんて笑い話にもならない。山は個人プレーだ。恨みっこなし。ジムだってきっとそうだったろう。いや、ウォルトンだったか?頭がくらくらする。ピッケルを握り直す。慎重に、慎重に、間違ってベルグラを叩いたら急転直下だ。道しるべにすらなれない。低体温症で意識も覚束なかったはずだ。気付くと俺は頂上に立っていた。
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稚内方面。こうしてるうちにも後ろからビュービュー吹き付けてきて体が浮きそうになります。マジでばあちゃん何人か飛ばされて死んでるんじゃないか?
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市街方面。かなりの高さがあります。小さく見えた丘でしたが、やっぱり登ってみないとわからないもんですね。

 

 

下山。そういえばいつも時計回りに島を回っては、一周する直前に引き返してたなあと、あえて今度は鴛泊から反時計回りに走ってみます。

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今日もラピュタ雲。

そういえばまだ利尻山の山頂を見たことがありません。いっつも雲のかんむり。
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噂には聞いていたミルピス商店。予想以上に民家です。自家製乳酸菌飲料とのことでしたが、怖気付いてUターン。

 

沓形の味楽。

利尻島ナンバーワンラーメンらしいですが、
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惜しくも定休日。

 

 

このあたりで16時。

そういえば夕陽見てねえなあと、そのまま島の西部にあたる沓形で夕暮れまで時間を潰します。
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利尻ふれあい温泉。大きなホテルにくっついてます。

 

大人550円。正直期待はしていませんでしたが、最高の温泉でした。源泉かけながしはそのままの温度で33.8度。かなりぬるく、炭酸水素が抜群に高数値の、濁り湯。

露天風呂は海に向けて開けていますが、若干柵が高くお湯に浸かったままでは景色が悪いです。お湯も前述の通りぬるいので、立ち上がると風邪を引きそう。

サウナで限界まであったまってから、仁王立ちで景色を堪能しました。

 

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風呂上がりのお水。島の湧水とのことでしたが、マジで味がわかるレベルに美味しい。甘い水、というのはこんな味だったのか、と。

明日汲みにいくのもありだなあ。



そして念願の夕陽。絶対キレイだと思ってました。
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再びキャンプ場へ。
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今日は鴛泊付近の利尻島ファミリーキャンプ場ゆーに、というところ。1泊500円。キャンプ場でお金を払ったのは初めてだったのですが、やっぱり違いますね。まず電気が通ってる。素晴らしい。

 

昼間鮭を贈呈した韓国人のおばちゃん達が手を振って迎えてくれます。

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ご飯が炊き上がると、おばちゃん達が焼いた鮭と、酒を持ってきてくれました。ダジャレかな?サケはもう食べ飽きてたのでうわっと思っちゃったんですが、おばちゃん達の腕がいいのかふわっふわで、サケ鍋とはまた違って非常に美味でした。

 

 

そしてお待ちかね。炊き上がった白米に…

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ドン!

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ドドン!!!!

コメなんか隠せ!隠してしまえ!!!!

バグったコインゲームばりの盛り方をしてしまいました。贅沢〜。



どちらも美味でした。

明日は何をしようかな?利尻山に登ってみようか、フェリーターミナルでウニ丼を食べるか。とりあえずらもらった酒をのむ。